2003年ハチイチ全日本選手権に向けての復帰第1戦は、チャレンジカップ第6戦、ハチイチEXPクラス Aメイン決勝レースとなった。
BOSSでの選手権が終わって以来となる、ハチイチのピットクルーであるが、本当は朝から参加して、終日ドライバーと一緒に居たかったのだけど、この日は町民体育祭の日。うちの町は、人口が3,000人程度の過疎の町で、私の住む地区では、私はこの歳で、3番目に若いのだ。だからいろんな種目に出場しなければならない。最後の種目、地区対抗リレーでは、第5走者として、チームを4番手から2番手まで浮上させた!来週のアクティブツアー最終戦に向け、調整はばっちりだぜ!
話はかなり横道にそれてしまったが、体育祭が終わって、急いでKawasmi.Jrに直行すると、ハチイチAメイン決勝レースが、始まろうとしていた時だった。私が車から降りようとしたとき、悪ガキが駆け寄ってきて、「GUN-Boy!ピットお願いしていい?GUNは使わなくていいからさぁ〜!」といきなりお願いされてしまった。
私は、GUN-Boyとしての復帰第1戦と考えていたので、「おう!任せちくりぃ!」快く引き受けた。2カ月ぶりとなるGUNを片手に、le
coqのウオーミング・アップ・スーツの上に、洗濯もしないまま車のトランクの中で熟成中だったユニホームを羽織り、ピットに移動する。何か懐かしい感じというか、自分の居場所に帰ってきたんだという気持ちとともに、ピットクルーとしての緊張感がよみがえってきた。
5分間のウオーミングアップ走行が終了し、いよいよ決勝レースがスタートする。予選TQを獲得した悪ガキのNTを回収し、燃料を補給して、スターティング・グリッドに並ぶ。
全車きれいにスタート!と思いきや、2番グリッドのジョージが、まさかのノーコンで、ストレートを全開のままコースアウト!結局1周もできないままリタイヤとなってしまった・・・。
オープニングラップ、トップで帰ってきたのは、予選TQの悪ガキ。しかし、その背後に今年の全日本メンバーの一人であるMEGA点が迫ってきた。集団から抜け出したこの2台でトップ争いが繰り広げられることに。
この2人のドッグファイトは、それはすごかった。前半リードしていた悪ガキが、右のインフィールドで膨らんだスキをついて、MEGA点がトップに立つ!しかし悪ガキも負けじと背後からプレッシャーをかけまくる!
そして最初の給油がやってきた。5分が経過し、まずMEGA点が給油のため、ピットに入ってくる。ピットクルーは、いっこうさん。ポンプによる給油だったのだが、これが速い!車を掴んで、給油を終えるまで3秒ちょっと!正直言って、いっこうさんがここまで速い給油をするとは思っていなかった。GUNを使うのは私だけだったし、全日本が終わって練習をしていないと言っても、他のピットクルーの給油よりも、1秒以上は絶対に速いだろうなんて楽勝ムードだった私はあさはかだった。「絶対に負けんでぃ!」
ストップウオッチで経過時間を確認しながら、悪ガキに給油を告げる。レースが始まる前、「6分給油で行きます!」という悪ガキの指示を受け、5分30秒を経過した周回で合図を送ったのだ。
。「おっしゃあ!来やがれぃ!」と待っている私に、悪ガキは、減速しないまま突っ込んできやがった(笑)。私が給油に際して注意したこと。6分給油ということは、確実にタンクを満タンにしてやらなければ、絶対に燃料がもたない。加えて、燃料のミス発射だけはしないこと。久しぶりの給油に緊張したが、体はそのタイミングを覚えていた。確実に給油を終え、コースに戻る悪ガキだったが、MEGA点は、その横を通過していく!給油タイムは、いっこうさんと同タイムくらい?あるいは、いっこうさんの方が速かったかもしれない。いや、それ以上にMEGA点のラップタイムが速いのだ!ベストラップもただ一人、25秒台に入れてきた!
予選では、4番手だったMEGA点。しかし、さすがは全日本経験者。決勝レースにあわせ、きっちりと車を作ってきた。予選を見る限り、MEGA点が、Aメイン決勝で、このすばらしい走りをするとは、悪ガキも予想していなかったことだろう。しかし、こうなったら根競べ。先に根を上げた方が負けだ。レース時間は30分の長丁場。まだ序盤を終えたばかりだ。マッチレースとなったAメイン決勝レース。
2人のドッグファイトは、20分を経過しても、まだ続いている。すばらしい集中力だ。トシゾー店長のMCをひときわ熱を帯びてくる。24分過ぎ、悪ガキの最後の給油を終えた時点で、トップMEGA点とのタイム差は6秒。25分過ぎに最後の給油に入るMEGA点。ピットクルーのいっこうさんは、全ての給油を完璧にこなし、トップを死守したまま、MEGA点をコースに復帰させる!
レースは残り5分を切った。この時点でMEGA点と悪ガキとの差は2秒。逃げるMEGA点、追う悪ガキ。これからの2人のドッグファイトは、すごかった。アタックを幾度となく試みる悪ガキ。その計り知れないプレッシャーを全く感じていないかのごとく、自分のペース、そしてラインで走るMEGA点。そしてラスト1分。ラインをクロスさせて、コーナーの立ちあがりで悪ガキがトップに立つ!よっしゃぁ!これでラインをブロックすれば、逆転優勝じゃあ!
が、しか〜し!悪ガキの一瞬のミスを逃さず、再びMEGA点がトップを奪い返す。スタート直後から30分間続いた二人のドッグファイトもファイナルラップへと突入!しかける悪ガキ、押さえるMEGA点。2台がもつれあうようにコントロールラインを通過!2台のタイム差は、わずかにコンマ32秒差!いやあ、本当にすごいレースだった。そしてとってもフェアなレースだった。全日本選手権後の初レースだったけど、確実に2人は大きく成長していたのだった!
私自身も、復帰第1戦で給油ミスすることなくこなせたことでは、ほっとしている。ただ、車を掴んで燃料を発射するまでにもたついてしまったし、給油争いでは、いっこうさんに完敗だったし、反省点も多かったレースだった。
さあ、2003年のハチイチ全日本選手権まで、残り10カ月。実戦練習も精力的にこなしていきながら、給油では日本、いや世界最速めざし!、さらにドライバーから絶大なる信頼を寄せられるピットクルーになるため、私のチャレンジは始まったのだ!
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