悲願の優勝目指して、ひた走る私。「tamaさんやabeさんはいない。このまま自分のペースを守って走りさえすれば・・・」。涙目になりながらも、全神経をプロポに、そして車に集中する。これまで経験したレースで最高の集中力。だって車がスローモーションで走っているように見えたのだから。ミスするはずがない!1コーナーをクリアし、高速シケインを抜けていく。
集中力は最高潮に達し、まるで車が止まっているように思えた。「すげぇじゃん、オレの集中力って!」ん?止まっているように? それって本当に車が止まっているじゃんかぁ!
トップを走る感激のあまり、こぼれ落ちそうになった涙は、一瞬のうちに乾き去り、変わって油汗がほとばしる。「だぁ〜!ハ・シ・モ・ト・く〜ん!!止まったぁ〜!」
天国に登りつつあった階段を踏み外し、一気に奈落の底に落ちたような感じだった。いつものごとく、プロポ片手にコントロールタワーを駆け下り、車にたどりつくも、SPLでのレースと同じで、全くエンジンは蘇らない。完全にオーバーヒート。レース中にも関わらず、「このままいけば優勝でぃ!」なんて考えたから、勝利への神様がお怒りになったのだ・・・。
「プラグを交換してみよう!」カナリヤはピットからパドックまでが離れているが、んなもん関係ない。 真剣走って、新しいプラグを工具箱から取り出し、プラグレンチも持って車に走る。火傷しそうなくらい焼けているプラグを素手で取り外し、交換するもエンジンはかからず。
そんな中、オーバーヒート、ワン・ツー・スリーを決めたSS出場組のほか、他の車もオーバーヒートでピットに戻ってきている。コース内を走っているのはMr.FG山崎さんと松川さんの2台のみ。SPLでは、コンプレッサーでエアーをエンジン部分に吹きかけたが、全然だめ。なすすべなしの私。「今回も、リタイヤするしかないのか・・・」。落胆する私のそばにいたKさんは、ブレーキ・クリーナーをエンジン部分に吹きかけている。すると見事にエンジンが始動し、コースに復帰したではないか!
「これじゃぁ!」 とばかり、丁重に(無理矢理?)タケちゃんからスプレーを借り(奪い取り?)、キンキンに焼けたエンジンに思いっきり吹きかけると、ぶわっちり復活。コントロールタワーを駆け上がり、コースに復帰する。しかしこの時点で、7位に後退。結局、順位を上げることなく私とabeさんのSPL遠征コンビで、またもやワン・ツー・フィニッシュを決めたのであった・・・。
優勝は、見事に自分のペースで走りきった松川さん。エンジンはSOLO。2番手には、Mr.FG山崎さん。Mr.はゼノア230RCであったが、オーバーヒート組の忠告どおり、最後までヒートさせずに走りきった。さすがは百戦錬磨のドライバー。前を走っていた私たちから離されても、エンジンをいたわりつつ、結果を残すことができるのだから。3位には、地元カナリヤ店主おかもとさんが入ったコンペ決勝レースであった。
ここで敗因を分析すると、やはりオーバーヒート。確かにエアダクトの効果はあったと思う。エアダクトのないabeさん1番。ペットボトルを切っただけのダクト(?)をつけたtamaさんが2番。そして私が3番目にとまった訳だが、原因はやっぱり握りすぎじゃなかろうか?
トシゾー店長が言ってたけど、最終コーナーなんか「ギョイギョイ」タイヤを言わせながら走っていたそうで、エンジンに負担はかかるし、常に立ち上がりでは全開!だったと思う。それに比べMr.FGは、今思うとホームストレートでアクセルをあえて抜いていたのでは?
いつも全力疾走で最後までゴールできるとは限らない。特に夏場の1:5クラスのレースは、耐久レースといっても過言ではない。タイヤを温存させながら、エンジンをいたわりながら、それでいてコンスタントにタイムを刻んでいく・・・。そう、それはバリバリ伝説で、鈴鹿4時間耐久レース中に秀吉がやったことと同じなんだ。
世界戦まであと23日。出発までに残されたレースは、22日のKawasemi.Jrチャレンジカップのみ。きっちり走って、きっちり曲がり、きっちり止まる車づくりを心がけ、もちろん目指すは優勝じゃぁ!
|