1/16Final Aを走るTSURUちゃんのピットクルーをtamaGと交代し、私はトシゾー店長に頼まれたタイヤを削るために、コース脇のタイヤセッター場にいた。削る準備をする中で、果たしてピットクルーとして責任を果たせたのか?ということが頭に浮かんだ。
私が1/128Final Bから出場したチーム九州男児勢の給油を行った回数は6回。うち成功は4回。成功率は6割6分6厘。野球の試合だったら、強打者として注目を浴びるところであるが、100%の成功率を要求されるピットクルーとしては、決して胸を張れる成績ではない。しかもtamaGへの給油では、致命的なミスを犯してしまったことで、心の奥底に封印していたはずの恐怖心が前面に出てきてしまった。
「トシゾー店長の給油をするのが怖い・・・」
「あんたバカじゃねぇんな!失敗したことをいくら悔やんだって、どうにもなりゃせん!悪いイメージを持っていたら、絶対に成功するものも成功せん!気持ちを切り替えて、良いイメージだけを持たんと!」
と自分で自分に渇を入れても、次第に緊張感が増してきて、セミファイナルのプレッシャーに押しつぶされそうになってきた。
「こげんこっちゃいけん!」
タイヤを削る準備が整ったところで、目をつぶり、気持ちを落ち着け、これまでのことを思い出してみた。
「ピットクルーという11人目の選手として、オレは全日本選手権に出るでぃ!もうひとつの全日本選手権を制したとき、それはあんた(トシゾー店長)が全日本を制するときじゃ!」とヤツに語った日から、私の中のもう一人の自分との戦いが始まっていた。
そう、それは弱い自分との戦い。
毎日Kawasemi.Jrへ通い、地道な給油の練習を重ね、体力や握力をつけるためのトレーニング、東佐賀で開催された「サーキット破り」での実戦や、トシゾー店長とのコンビネーションを確立するためのBOSSでの事前合宿。そして派手なGUN-Boyスタイルに身を包んでいることも、全ては、今、自分が感じているプレッシャー(弱い自分)に打ち勝つため!
目の前に迫ったセミファイナルに向け、誰一人、プレッシャーを感じていない人間なんているはずがない。そのプレッシャーに打ち勝った人間こそ、勝利の女神に微笑んでもらえるんだ!
さらに私はウエストバッグの中に入れていた携帯電話を取り出し、GUN-BOy's BBSに多くの方からの応援メッセージを読み直した。本当に多くの方から「がんばれ!GUN-Boy!」という熱いメッセージがそこにはあった。
「おっしゃぁ〜!オレはやるでぃ!」
気持ちを切り替え、さらに不安をかき消すため、最後の仕上げに自ら往復ビンタして気合いを入れた私は、ジンジンする頬をさすりながら、トシゾー店長のタイヤを削り終えたのであった・・・。
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