SW野郎の「バリバリRC伝説」

LAP14〜甦る少年時代の憧れ・・・

FG F1を始めて、その高い運動性能に魅力を感じる一方で、F1の持つ独特の存在感に酔いしれ、まだクリアボディだけど、車体にかぶせ、腕組みをして「う〜ん、マンダム!」とつぶやいている今日この頃。キットの状態にフロントブレーキとスタビを付けただけのFG F1であるが、真正面から見たり、斜めから見たりしながら、一人ニヤニヤしているのである。「多くのギャラリーが歓声を送る中、私のF1を含め、数台がKawasemi.Jrの最終コーナーをテールtoノーズでホームストレートを立ち上がっていく!」そんな光景を思い浮かべるだけで、鳥肌が立つくらい興奮してしまう・・・。

FGコンペを納車した頃には、そのアルミパーツで構成された足周りや国内で発売されたばかりの油圧ブレーキのついた車体を眺めるだけで満足し、「床の間にでも飾っておこうか?!」なんて思うくらい、所有する喜びで満ちあふれていたのが、世界選手権に参戦すること決意して以来、所有しているという喜びはどこかに消え失せ、いつの間にかシャシー以外は全て別パーツとなってしまい、ひたすら速さを追い求め、表彰台の真ん中ばかり意識するようになってしまっていた私が、久しぶりに懐かしいこの感じを思い出した。そう、やっぱり私の心の中は、少年SWくんだった頃のままなんだ・・・。

スーパーカーブームの影響を受け、車好きとなった少年SWくん(当時12才)は、「この車が、ボクの思い通りに走ったら、どんなに楽しいだろう・・・」と毎晩のように自分が作ったお気に入りのプラモデルの車を机の上で何台か並べ、「サーキットの狼」の吹雪ユウヤと早瀬左近のバトルを再現していたりした・・・。そんな少年SWくんは、プラモデルの箱の中に一緒に入っていた新製品カタログでRCカーの存在を知ったのであった。「すげぇ〜!無線で車を操縦できるんじゃぁ〜!」と目をキラキラさせていたあの頃。中学1年のお正月に父からTAMIYAから発売されたばかりのF2(当時6,800円!?)を買ってもらった。父と弟と三人で毎晩少しずつ組立て、完成したのは冬休みも終わりに近づいた大雪が降った朝。弟と二人でF2とプロポを持ち、満面の笑みを浮かべている写真は、実家にまだあるはず。弟と一緒に仲良く遊べ!と言われていたが、当然のごとく、私がエース・ドライバーとして、自宅前の県道で走らせる毎日。かわいそうな弟は、車が来ないか見張りをさせられていたのであった・・・。

そんな少年SWくんも高校生になり、大切にしていたF2も壊れ、スペアパーツも販売されなくなり、いつの日がRCから離れてしまう。高校生SWくんが夢中になったのはバイク。どちらかと言えばウルトラマンよりも仮面ライダー派であった私は、大きくなったら絶対にバイクに乗るんだ!という夢を持っていた。高校時代、免許こそ持っていなかったけど、当時週間チャンピオン?に掲載されていた「ナナハンライダー」の主人公に憧れ、「いつの日か自分もナナハンライダーに!」と夢を抱き、高校を卒業した夏、13回目でやっと合格した自動二輪の限定解除!その頃はナナハンライダーの主人公ではなく、このコーナーのタイトルになっている「バリバリ伝説」の巨摩グンに憧れ、さすがにヘルメットはグン仕様にはしなかったけど、日本人初の世界GPチャンプとなり、ケニー・ロバーツ、フレディ・スペンサーと互角のレースをしていた片山敬済氏のレプリカに頭から足の先まで包み、朝4時過ぎに起き、夜明けのやまなみハイウエイを南アフリカ仕様のVF1000Rでかっ飛んでいたのであった・・・。

今、考えると成長する過程でいろんな夢を抱き、それらを叶えてきた自分がここにいる。もちろん、私のわがままに振り回された周りの方々もいることは、百も承知である。でも、こんな私のわがままを聞いてもらえるならば、少年SWくんだった頃の夢や憧れを、このFG F1という車で完結させたい!と思うのである。したがって、「バリバリRC伝説」は、FGコンペの展開とは、全く異なり、これから先、実車のディテールにこだわった車づくりを、展開していきたいと思う・・・。


 
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