「バリバリRC伝説」

Lap 12〜HARM FX-1を解き放つ!
  
去る9月21日(土)にシェイクダウンをしたHARM FX-1。これまで数回走らせた中で感じたことは、「すごい車!」ということ。まずもってファーストワンのパイプの乾いた排気音。チョークポンプを数回押し、キャブレター内に燃料を送り込み、スターターを引っ張ると、G230RCは一発で始動。パイプからは一際かん高い排気音が!FGのミエルケのチャンバーが低音重視なのに対し、ファーストワンのパイプは高音重視といった感じ。

「早くオレをコースに解き放ってくれ〜!」と私をせかせるHARM FX-1。「そげぇ言うんじゃったら!」とピットレーンに置き、コースに解き放ってやった。

HARM FX-1は、水を得た魚のごとく、各コーナー、そしてストレートを駆け抜ける。まだこの時期は気温も高かったから、タイヤウオーマーで温めることなく、コースインした直後から、前後のタイヤともグリップしている。ブレーキもワイヤー仕様だけど、片効きや制動力不足を感じさせず、さらには前後のバランスもばっちり。

そして何よりも、動きの軽さ!ファーストワン・パイプの乾いた排気音によるところも大きいと思うが、見ていて(聞いていて)非常に動きがスムーズ。リヤ周りの駆動系のスムーズさと、全てのベアリングを脱脂した効果もあるのだろうけれど、コーナーで失速しないし、もちろん立ち上がりもスムーズ。クラッチミートもマイルドでいい感じ。FGエコストックなどに装備されているものと同様(クラッチシュー面積は広いけど)で、強化スプリングに交換していないけど、これで十分!という感触を得られた。

さらにデフであるが、以前、HARMの純正デフ?って書いたけど、FX-1専用デフだった。というのもサスペンションレバーを固定するブロックが関係し、ベルトの位置が左右のバルクのセンターにならざると得ない。したがってHARM FX-1には、標準装備のデフしか使えないのだ!

シェイクダウンさせる前は、「このデフで大丈夫なんやろうか?」と一抹の不安を感じた私であったが、さすがはHARM!私の不安をこっぱみじんに吹き飛ばしてくれるデフだったのだ。これまでデフを固めてみたり、デフオイルを入れてみたり、いろいろやってみたけれど、一番いい感じだったのはスルスル状態。このFX-1用のデフのスルスル感は、実際に手でタイヤの片方を回してみたときにわかるけど、異次元のスルスル感。それでいてコーナー立ち上がりではしっかりと駆動を両輪に伝えている。

こうして、いろいろ感想を述べていくと、いいことばかりしか浮かんでこないHARM FX-1。しいて弱点を挙げるならば、タイヤがグリップしすぎて異様に減りが早いということ。フロントタイヤはGRPのS、リヤタイヤはGRPのS1だったが、路面温度も高かったので、一概には言えないけど、右の画像のとおり、フロントタイヤは内側にかけて減っている。まるでFGコンペにSタイヤを履かせた時みたい!

そして燃費が悪い!まあ、これはキャブレターのセットが濃い目だったからかもしれない。

ほかにもエンジンをかけた時に、「GUN-Boy!これ見てみぃ!」とミハエルとうちゃんに指摘されたクラッチベルを固定している4本のボルトの閉め忘れとか、Kiuchiくんに指摘されたフロントブレーキの突っ張りだとか、海外に活動の拠点を移したMK.シューマッハが「あんたなぁ〜、軽いとか言うけど、重たいじゃん!」と指摘されて気づいたブレーキの引きずりなどあったけど・・・。

いずれにしても3カ月のブランクを感じさせないくらい、意のままに走ってくれたHARM FX-1。卓越したポテンシャルを感じさせる外観を裏切ることなく、高い運動性能を持つ車だということを、体感させてくれた!

 
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