KS-Guyの「バリバリRC伝説」

Lap3550Lapの向こう側
 
とうちゃんは、フロントS、リヤS1のタイヤ構成。私はフロントM、リヤM1の構成。この日も路面温度が高かったものの、このタイヤ構成の違いがラップタイムに現れるか、実際に比べてみたかった。案の定、Ferarriに各コーナーごとで離されてしまうRothmans。コーナリングスピードが明らかに違う。やはりレースはSとS1の構成がベストなのか?事前テストではミハエルの圧勝で終わった。

15時過ぎ、トシゾー店長が50Lap走ってみて!と突然私に言い出した。前回の第2戦では決勝レーススタート前に、燃料タンクからガソリンがあふれるほど、満タンに入れて、50周完走後はまだ半分くらい残っていた。そこでタンクの半分くらい(ラインの位置)燃料を入れた状態で走りきれるかテストしろ!と言うのだ。何やら思惑があるようだが、それ以上にレースを1週間後に控え、今思えば、無謀とも言えるこのテスト。タイヤは当然消耗するし、ピストンリングを替えたばかりのエンジンに負担をかけることになる。しかしデメリットばかりではない。路面温度が上がってきたこの時期に、50周を走りきるためのタイヤ選択ができるし、エンジンにしてみてもトラブルが発生しないか、パーコレーションが起きないかチェックすることもできる。もしもトラブルがあった場合でも、まだ対処する時間は残されているのだから。

3分間のウオーミングアップ走行の後、この日、計測サービスをしていたこともあり、トランスポンダーを搭載し、過酷な燃費&タイヤ&エンジン・テストを開始した。タイヤはフロントM,リヤM1という構成。スタート直後はグリップ感が足らないという感じは否めなかったが、Lapを重ねていっても、リヤタイヤがタレるという感じはしなかったし、エンジンも心配なさそう。しかし新たな問題が発生!

5月下旬といえども西日は強く、気温も20°を超えていたであろう。淡々とラップを重ねるも、だんだんと体力が消耗していくのがわかる。レース中はDJ岩本のMCを頼りに、何分経過でどの位置を走っているか確認しながら、他車と走れるのでそうまで苦にならないけど、、一人で走らせることがこんなにきついなんて思ってもみなかった。おまけにこの暑さだと、トレードマークになりつつある「かつら」はかぶることはできない!やはりチーム・キャップを揃えないといけないのか・・・。

「今20周目!あと30周!」とトシゾー店長。何や!?まだ30周もあるん?

25周目でいったんPIT IN。そう、タイヤ交換する時間も計算に入れるためである。1分ほどピットレーンで待ち、GO!の合図でコースイン。タイヤ、そしてエンジンは問題なし。残るは私自身の集中力がどこまで持続できるかである。35周目、左のインフィールドに入り、第3コーナーをクリアしたところで、オーバーラン!FW19は芝生のくぼみに足を取られ、大きく空中を舞う!「うわぁ〜やってしまったぁ〜!」。

ひねりまで加え、まさに新月面宙返りを披露したFW19であるが、何事もなかったかのようにコースに復帰した。そう、何事もなかったように・・・。そして迎えた40周目。ホームストレートを立ち上がり、1コーナーをクリアしたところでエンジンがストップ。そう、残り10周を残したところでガス欠に・・・。ウオーミングアップ走行から25分しか持たなかったのである。ということは、燃料タンク満タンにして90周、時間にして55分は持つ計算になるのだが、タンクのエア抜きホースから、かなり燃料をまき散らしていたから、実際にはそれほど走れないかも。

テスト走行を終え、パドックに車を戻し、新月面宙返りしたFW19をチェックするが、心配されたボディは無傷。芝生の上で横転したのが幸いしたようだ。心配されたエンジンも問題なし。ダメージは皆無であったように思えたFW19であった。ラップタイムもグリップ感がない中で34秒中盤〜35秒前半で走れていたし、あとはレースまでにもう一度整備し直して、万全の体制で第3戦を迎えるのみ。9台のF1、それもディテールを追求したF1がコースを走る!という姿を想像するだけで、興奮して鳥肌が立ってしまいそう。そんなことを思い浮かべながら、リヤタイヤを外していた私は、タイヤの内側から外れ落ちたリングを見て、別の意味で鳥肌が立ってしまったのであった・・・。

「何じゃ、こりゃぁ〜!」(太陽にほえろ!の松田優作調で・・・)。
 
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