もうひとつのハチイチ全日本選手権

FILE 11〜「サーキット破り」参戦記

7月14日(日)、東佐賀サーキットで開催された「サーキット破り」が私のピットクルーとしてのデビュー戦となった。デビュー戦に臨むにあたり、これまで練習を重ねてきたGUNを使った給油作業の成果を、レースという緊張した場面において発揮できるか?いかにトシゾー店長とのコンビネーションを図るか?を目的にした私であったが、いろんな面で多くの課題が残ったデビュー戦となった…。

トシゾー店長が出場したハチイチ・クラス。予選では2ラウンドともトラブルのため完走できず、決勝レースはDメイン4番GRIDからのスタートとなったトシゾー店長。「やけんど、Aメイン決勝までは楽に勝ち上がるだろう」なんて思った人もいたかもしれないが、ところがどっこい。レースはいったい何が起こるか分からない。油断は禁物!それ以上に大変なのはBメイン決勝までの勝ち上がりレースは、各レースのインターバルが10分しかない。その限られた時間の中で次のレースに向けてやらなければならないことは山ほどある。まさに全日本選手権での勝ち上がりレースと同様に非常に厳しかった。

タイヤ交換や車のセットを出すだけならまだしも、車が破損した場合には一大事。パーツ交換ができぬまま次のレースを迎えることになってしまう。全日本選手権でも毎年3回勝ち上がりが最高で、近年、4回勝ち上がったという選手は私の記憶にはない。それだけに予選でいい位置につけないと、上位進出は難しいということなのだ。

全く余裕がない状態で、かろうじてAメイン決勝レースまで勝ち進んだトシゾー店長。しかもスターティングGRIDは7番目。早い周回で上位に上がらないとTQを獲得したTOM選手の背後につけぬまま独走を許してしまいかねない。

が、しか〜し、トシゾー店長には強い味方がついている。そう、この私だ!(って言い過ぎ!?)。ハチイチAメイン決勝でGUNを使うのは私だけ。TOM選手をはじめ、他の選手は全員ポンプを使っての給油だ。私が練習どおりに給油をこなせたなら、相手チームよりも2秒は確実に速い!したがって給油タイムの差で番手を上げることはもちろん、一気にTOM選手との差を詰め、あわよくば給油でトップに立つことも十分可能なのだ。

ぞれを実証したのが、ハチイチAメイン決勝前に行われたGPツーリングAメイン決勝。私は急遽TOM選手のピットクルーを頼まれた。20分間の決勝スタート前、痛恨のエンジンストールで何と最下位スタートとなったTOM選手。しかし持ち前のスピードで5番手まで浮上して最初の給油のためにピットに入ってきた。私の左手には、KYOSHOから発売されている1:10GPツーリング用のFUEL GUN!TOM選手の車に施された画期的なタンクキャップ・オープンシステムと相まって、おそらく2秒フラットくらいで給油を終え、コースに戻るTOM選手。全車給油を終えた時点で、何とトップに浮上していた!その後も給油回数を他車より1回減らしたミッソリーニ選手らの追撃を押さえ、見事優勝を飾ったのだ!コントロールタワーを降りてきたTOM選手に笑顔で握手を求められた時には、思わず鳥肌が立った。ピットクルー冥利につきるというか、私も勝利に貢献できたという充実感、爽快感が自分の中に広がっていった…。

「必ずピット作業で、トシゾー店長を優勝させる!」。GPツーリングAメイン決勝が終わったあとの心地よい余韻は捨て、気合いを入れ直して、予選から一緒にピットに入ったKOJIさんと二人、ピットエリアでコースオープンを待っていた…。


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