フランクフルト国際空港を出発したのは、現地時間17時30分頃。日本時間にすると24時30分。これから高速道路をひた走り、最初の目的地FG社を目指す。車幅の広い高速道路を、気持ちよく走れたのは最初のうちで、すぐさま渋滞が始まる。2時間ほど走ったところでパーキングにて、ちょいと休憩。ジュースなどを買い込む。
トシゾー店長が「何か温かいもの食べたい〜」というので、ホットドック屋らしきところに行く。でもジュースのみで、食べ物らしきものは見あたらないし、メニューを見ても何が何だかわからない。あきらめていたところに、外人のおじさんが何やら注文すると、フランスパンを横からカットし、その中にでぇ〜かいハムをはさんだやつが出てきた。ケチャップをたっぷりとかけてほおばるその様を見て、「うわぁ〜、うまそう!」「あれ、あれ!あれがいい!」
店のおばちゃんに「あのおじさんが頼んだのと同じのを2つちょうだい!」とジェスチャーのみで注文する。その様子は飢えたゴリラとチンパンジーが動物園で観客に「そのバナナくれ〜」とおねだりしていたように思えたかもしれない。お〜、見事に通じたのか同じものが出てきた。ちゃんとお金も払えて車に乗り込む。でも、この時は、これが夕食になるなどとは、知る由もなかった私とトシゾー店長だった…。
空港を出発して3時間。ようやくFG社に到着。現地時刻で20時20分頃。しかしまだ明るい。事前にFG社宛に送ったお互いの車を受け取り、レンタカーに積み込む。積み込みも終わり、せっかくFG社まで来たんだからと、ちょっとの間、会社見学をすることに。まずもって広い広い。その中に整然と管理されたキット&パーツ群。真っ先に私たちの目にとまったのは、びっしりと並んだコンペのフロント周り。全部で100台近くはあっただろうか?でもその中から日本に入ってくるのは、ほんの数台。半完成済みのコンペシャシーやエコラインが棚いっぱいに並んでいる様は、まさに圧巻。おまけにエンジンはエンジンでぐっしりと並んでおり、世界のFG!を実感できた。
FG社を後にし、世界選手権会場であり、宿泊先ホテルがあるエッティンゲンをめざす。が、あたりも暗くなり、前を走る山崎さんの車のテールランプもぼんやりとしか見えない。みんな体力の限界に達している。それもそのはず、日本時間の明け方4時過ぎなんだから。車を運転していたはしもとさんは、予選・決勝レース用に成田で購入した栄養ドリンク3本のうち1本を運転のために投入してしまった…。
現地時間22時過ぎ。日本時間6時過ぎ。成田空港を出発して20時間かかって、ようやく宿泊先のホリディ・インに到着。チェックインを済ませ部屋に入る。私とトシゾー店長は136号室。荷物を置いて、ロビーに集合してレストランでみんなでさあ夕食だ!が、しか〜し、22時で営業は終わっていたのだった…。結局、夕食はなし。フロントに頼めばピザはあるということだったが、もういらない。部屋に帰ってとりあえずシャワーを浴びる。明日から始まる公式練習に向けて車の整備をしようかなんて思っていたが、とてもそんな元気は残っていない。
「明日の朝、起こしてな〜」と先にベッドに入るトシゾー店長。しまった、遅れをとってしまった。私もベッドに入るが、体は疲れているのに、神経が高ぶっているせいか、なかなか眠ることができない。隣のトシゾー店長は既に寝息を立てている。「おれもがんばって寝よう!」
うとうとしてきたその時であった、「ぐわお〜!ぎゃお〜」。「な、なんだ?」。それはまるで洞穴の中で虎とライオンが格闘しているかのような、トシゾー店長のいびきだ!。すごいとは聞いていたが、これほどまでとは・・・。ムッシュY氏もすごかったが、それ以上の轟音!結局、一睡もできぬまま朝を迎えた私であった…。
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