フェンスに激突した車を、どうやって回収したかは覚えていない。ただただ「何てことをしてしまったんだろう・・・」という後悔の気持ちでいっぱいだった。レース前に今回のように車も精神状態も落ち着いたことはなかったのに、それが慢心ともいえるラフなアクセルワークで、車をクラッシュさせてしまった。テーブルに戻り、ボディをはぐってみたが、破損した個所はない。しかしそれは見た感じである。車重が10Kgを超えるFGコンペが右側からフェンスに突っ込んで、セットが狂わないはずがない。
とりあえず、アライメントを取り直し、コースインさせてみるものの、何か車の動きがおかしい。エンジンが回っていない。「オーバーヒートか?」と思い、ニードルを5分ほど甘くしてコースイン。それでも回らない。ピットに車を入れ、スロットルを握ってみると、かなり握らないとアクセルが反応しない。もしやと思い、ボディをはぐり、スロットルが全開になるか確認したところ、半分しか開いていない。クラッシュが原因だと思うものの、どうして狂ったのか分からない。調整し直し、再度コースイン。
それでも車の動きはおかしい。コーナーでフロントが入ってこない。そう思っているうちに、右のインフィールドで車がスローダウン。アクセルを握るものの、駆動が伝わらず、空ぶかしの状態。「これは、ピニオンのイモネジが緩んだんだろう・・・」。そう思って車の覗いてびっくり!15Tのピニオンの半分が削れ、イモネジが締まった状態で落ちている。落ちたピニオンを拾おうと触った瞬間、「あてぃ〜!」。火炎放射器で熱したくらいの温度になっている。いったいこれはどうしたことだ?焼けたピニオンをポロシャツでくるみ、車をテーブルに移動させ、チェックを始める。
すると、何と15Tのピニオン側のベアリングが粉々になって跡形もない状態ではないか!これもさっきのクラッシュが原因で、おそらくエンジンマウントの位置がずれ、デフのギヤとのバックラッシュが大きく狂っていたと思われる。エンジンを降ろし、壊れた部分を確認すると、レーシングギヤシャフトにベアリングの内側部分が焼け付いている状態で、傷だらけになっている。同じくもうひとつのベアリングも死んでしまっている。予備のベアリングを探すけど、持ってきていない。
そこでレース準備で忙しいカナリヤ模型のオカモト店長にお願いし、ショップまで連れていってもらうことに。幸いにも欲しいベアリングの在庫があり、火炎放射器もお借りし、修理に入る。半分かけたピニオンギヤを組んでみるものの、どう考えても走れる訳がない。そこでオカモト店長に聞いてみるものの、在庫はなし。tamaさんも予備を持っていない。残るは・・・。abeさんに聞いたところ、15Tはないけど16Tなら持っているということで貸してもらった。
ピニオンの枚数が増えることで、abeさんも言っていたけど、低速の反応が遅くなる。モタ〜とした感じと言っていたけど、そこはトルクのある新型ゼノアエンジン。16Tでも回してくれるだろうと思い、コースインさせてみる。よく言えば、マイルドな立ち上がり。トップスピードは伸びるものの、やはりインフィールドでタイムをかせがないといけないカナリヤ・サーキットでは、不利なのは目に見えている。
そんな私の車を見て、トシゾー店長がアドバイスをくれた。「リヤが重たい。コーナーで失速している。リヤのトーインを減らしてみたら?もっと転がる車にしなきゃ!」
セットアップゲージでリヤのトーインを2.5°から1°まで減らし、さあ、コースインだ!と思った時には既に17時を回っている。周りのみんなはセットが出て片づけを始めている。とうちゃんに「あと5分、走らせてもいい?」と言ったものの、みんなに迷惑をかける訳にもいかず、クラッシュの後遺症から抜け出せないまま、カナリヤサーキットを後にしたのであった・・・。 |