実は予選2日目に、私たちはとんでもない事件に遭遇したのであった。この日は、フランクフルト空港に到着した時の、震えるような寒さがウソのように、 まるで日本にいるかのようにすごく暑く、パドック内はサウナ状態。そんな私たちのパドックの後ろで交わされている熱い激論。いったい何をしゃべっているのかわからない私たちであったが、ハチさんが情報収集した内容は、こうだった。
予選2日間で、ダントツのトップタイムを叩きだしたコラーリが、重大な車両違反をしている!それは燃料に問題があるらしい。それでコラーリは、今大会の選手名簿から抹消される、というものだった。
公式練習、そして2日間の予選でのコラーリは、それは速かった。さすがハチイチで世界戦を征するだけのドライバーという走りを私たちに見せつけていたのだが、そんなコラーリがまさか失格だなんて・・・。
翌日、チームFGのフラビオが、各国パドックをまわって署名を集めていた。コラーリの失格を取り消せ!という趣旨のものだったと思うが、私たちもサインしたその署名もむなしく、コラーリの失格が取り消されることはなかった。コラーリが犯した罪?は、ことのほか重大だったのである。
何で燃料に問題があるかということが発覚したのかは、不明のままだが、コラーリが使用していた燃料にはトルエンが添加されていたということであった。ドイツ国内では、トルエンを所持しているだけで逮捕されるというものだけに、燃料からそれが見つかっただけでも、犯罪である。しかも、メカニックがコラーリに内緒で、燃料にトルエンを混ぜていたのならともかく、コラーリ自身も知っていたという・・・。
そんなコラーリに対してIFMARが下した裁定は、今大会はもちろん、向こう10年間、IFMARが主催する国際大会には出場停止!という節と無期出場停止!という節も流れ、本当のところはわからないが、コラーリというトップドライバーが、1:5世界戦から姿を消したということ自体、信じられない私たちであった・・・。 |