SW野郎の「1:5世界選手権参戦記」

世界戦最終日編〜セミファイナルその2

スタートにしくじったトシゾー店長。先頭グループには10秒以上遅れている。これでファイナル進出は絶望か!普通だったら、そうかもしれない。しかしピットにいた私たち(tamaさんはどうか知らないけど)は、んなこと考えていない。「最後までいったい何が起こるか分からない!全力を尽くすのみ!人事を尽くして天命を待つ!じゃ」

細かいレース展開は、さすがに忘れてしまった。

しかし、トシゾー店長の走りはすさまじかった!これぞ鬼神の走りともいうにふさわしく、アグレッシブでかつ正確なドライビングで、徐々に徐々に前を走る車との差を詰め、そして抜き去っていく。その走りは当然、彼の卓越したドライビング・テクニックと強靱な精神力・集中力によるものだけど、それに加え、ファイナル進出を願うチームJapan全員の想い、そしてスタンドを埋め尽くしたギャラリーの後押しもあったと思う。
 
ピットにいた私たちは知らなかったけど、観客席にはドイツ語と英語の二元実況中継が放送されていたらしく、「おっと〜!トシゾー店長がピットからコースに戻ってきたぞ!」に始まり、一台、また一台と抜き去るたびに「トシゾー店長が、すげぇぜ〜!ヤツから目が離せないぞ〜!」と連呼していたという。

そんな実況を聞いて、1000人を超えるギャラリーが沸かないわけがない。これは私の勝手な推測であるが、トップ集団を形成するドライバーたちよりも、トシゾー店長の走りにギャラリーの目は集中していたのではなかろうか?「おら〜!行け!行け!トシゾー店長!そこだ!ブチ抜け〜!」。ギャラリーの熱い声援を受け、15分過ぎには、6番手まで順位を上げたトシゾー店長。

今、何分たった〜?前との差は〜?」とコントロールタワーからトシゾー店長が叫ぶ!

今ちょうど半分!今、6番!前との差は2秒!」。ピットから叫ぶ私。

何?何言ってるのか、全然聞こえん!」。コントロールタワーから怒鳴るトシゾー店長。

ムカッとくるも残り時間は14分!4番手との差は9秒!。ゲホゲホなりながら叫ぶ私。

分からん!何?」。怒鳴り返すトシゾー店長。下から見上げた顔は、もう赤鬼のよう!

こんやたぁ〜と思うも、これ以上怒らせてしまったら大変と思い、「tamaさん、代わりに叫んで!」とお願いする。「残り、13分。4番手との差は9秒!」とtamaさんはボソっと言ったにも関わらず、トシゾー店長は安心したような顔に代わり、前を行く車との差を詰めるべく、ペースを上げる。「もう2度と言わん!」と固く心に誓い、その後、前との車の差、残り時間をtamaさんに伝え、tamaさんからトシゾー店長に伝えてもらう。

この時点で5番手まで順位を上げてきたトシゾー店長。しかし前を走る4番手の選手との差は、いっこうに縮まらない。縮まって8秒6、開いて9秒3。バックストレート出口とシケイン出口くらいの差で走る2台。トシゾー店長の集中力もさることながら、さすがは世界選手権のセミファイナルと走る選手だけある。
 
残り時間は5分を切った。この時点でも4番手と5番手トシゾー店長との差は9秒ほど!ストップウオッチを持つ私の手は、もう汗でびっしょり。「行け!行け!トシゾー店長!」と心の中で叫びまくりの私。3番手を走る車との差は、よく覚えていない。というのも4番手に入りさえすれば、タイム差で1/2Aファイナルの3番手よりも上のタイムを出しさえすれば、ファイナルに残ることができるのだ!だから何がなんでも4番手にならないといけない!

残り時間3分!ここでも差は縮まらない。「トシゾー〜!残り3分〜!がんばれ〜!」tamaさんが伝える!このあたりだっただろうか?トシゾー店長の背後に、トップを走る選手が迫る。そしてシケイン出口でトシゾー店長をパス!でもまだ大丈夫だ!このままくっついていって、トップと1周差の4位だったら、絶対にファイナルにいける!そう確信していた私。なぜならトシゾー店長のラップタイムは、コンスタントに16秒中盤で走っていたからである。このアベレージタイムで行けば、予選では6番手ぐらいのタイムを叩き出したはず。
 
がしかし、残り時間はあと2分!敵もさるもの、この時点までトシゾー店長との差は、まだ8秒ちょっとあった!「がんばれ!トシゾー店長!がんばれぃ〜!」 と心の中で叫んだその時!

 
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