残り時間はあと2分となったところで、4番手を走っていた車が、バックストレートからのバンクのコーナーで痛恨のコースアウト!ここで一気にトシゾー店長が、その差を縮めてくる!
3番手浮上をもくろむも、差は縮まらず、後方からは鬼神の追い上げをみせるトシゾー店長が迫ってきているのだから、そのプレッシャーたるや、相当なものだったと思う。ここまでそのプレッシャーに耐え、自分のペースで走っていた4番手の選手であるが、ほんのちょっとの焦りが、コースアウトを招いてしまったのだろうか?トシゾー店長は3秒差まで詰めてくる。前を走る選手は、その動揺からかペースが落ち、ついにテールtoノーズまでトシゾー店長が迫ってきた!
「よっしゃぁ!行ける!行けるぞ〜!」。もうその時の私ときたら、手に持つストップウオッチを握りつぶしそうなくらい、力が入っていた!前を走る選手はたまらずトシゾー店長にラインを譲る!残り1分でついに4位に浮上したトシゾー店長!しかしその後方を、今度は逆にテールtoノーズでプレッシャーをかけられる。
そのまま併走しながら走る2台。いよいよ残り30秒を切った!このまま後ろを押さえて走りきれば、4位でゴール!自らの力でファイナル進出を掴み取ることはできないものの、1/2Aファイナルの結果如何では、ファイナル進出も可能なのだ!それよりも何よりも、ピットスタートだったトシゾー店長が、日本のレースならともかく、世界選手権という大舞台、それもセミ・ファイナルで鬼神のような走りでここまで追い上げてきたのだから、もう胸がいっぱいになる。
「このまま早くゴールしてくれ〜!」。が、しか〜し!最後の最後にドラマは待っていたのだ!
これがファイナルラップ!という時、ホームストレートからシケインに入り、バックストレートに向かう左コーナーで、トシゾー店長が痛恨のスピン!すぐ後ろには5番手の車が迫っている!
「ぐわぁ〜!万事休すかぁ〜!」
しかし、5番手の選手は、トシゾー店長を抜かない!トシゾー店長が復帰するまで待っていたのだ!そう、ピットから見た感じでは、トシゾー店長自らコースアウトしたのか、後ろの車からプッシュされてコースアウトしたのか、はっきりわからなかった。おそらく後ろを走っていた5番手の選手は、自分がプッシュしたからだ!と判断したのだろう。ラスト1周勝負の場面で、私だったら、「おっしゃぁ〜!これでオレがファイナル進出じゃぁ〜!」と抜き去った後もないけど、なぜ、この選手は抜いていかずに、待っていたのか?
ひとつに後方からのプッシングは、厳しいペナルティの対象となっていたこと。ピットストップ5秒間のペナルティ。しかも5秒に足らなかったら、もう一度ピットに入れさせられるという厳しさは、1/512ファイナルから行われていたのだ!だから、もしもトシゾー店長のスピンをプッシングだと判断されたら、抜き去ったとしても、ペナルティを課せられ、ファイナルには進出できないのだ。
もうひとつ考えられることは、RCレースといえども、れっきとしたモータースポーツであるという誇りを持つ選手だったから。あくまでもフェアに、それでいてアグレッシブに戦うことこそ、真のモータースポーツであり、30分間に渡る熱すぎるバトルを繰り広げてきた選手たちは、自己の高いプライドとそれ以上に一緒に戦っているドライバーを尊重する?心を持っているのだ!と私は勝手に解釈した。
実際のところはわからないが、シケイン出口から再びテールtoノーズのバトルが繰り広げられる!バックストレートからバンクのコーナーを折り返し、手前のヘアピンをクリアしたら、ゴールだ!最後の最後まで絡み合うように走る2台!そしてトシゾー店長が頭を押さえたまま、ゴール!!!
30分間の熱く激しいレースが終わった!トシゾー店長はコンマ01秒差?で4位。本人にしてみれば悔しい結果に終わったと思うが、もしもタイヤを最初からSX4&SX3でスタートしていたとしても、もっと上位に食い込んでいたかは誰もわからない。
はっきり言えることは、私とtamaさんのタイヤ交換の作業が、あとコンマ1秒以上遅れていたならば、4位でゴールすることはなかったのだ。tamaさんが一発でタイヤを入れてくれなければ・・・・。しかし、その余韻にひたっている場合ではない。1番から3番までの車、そしてトシゾー店長の車は車検を受ける。係員から「ピットスタートさえなけりゃねぇ・・・。惜しかったぜ!」というような表情で声をかけられた私。「いや!オレたちはベストを尽くした!だから絶対にファイナルに残るんだ!」と拳を握り、ジェスチャーで答える私。
そう、何度も書くが1/2Aメインの結果如何で、ファイナルに残れる可能性は、まだ十分残っているのだ!
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