SW野郎の「1:5世界選手権参戦記」

世界戦最終日編〜バンケットの模様その1

8日間に渡って数々のドラマを生んだ1:5世界選手権も、ファイナルレースをもって全て終了した。冷たい雨が降る中、300mほど離れた駐車場へトシゾー店長の荷物をみんなで運んだが、いつになく、とても重たく感じた私であった。

この夜、私たちがパドックとして使っていた巨大テントの中で、バンケットが開催される。いったんホテルに帰り、部屋に戻ったトシゾー店長と私。二人で今日一日のレースを振り返るも、これで終わってしまったんだという一抹のさびしさを感じる私。

シャワーを浴びて、バンケットに行く準備をするが、いつまでも沈んだ気持ちでいる訳にはいかない。私自身は決して満足のいく結果を残せなかったけど、力一杯戦った。自分の持てる力を出し切った。そういう充実感が次第に湧いてきた。「胸をはってバンケットし参加するでぃ!」。さて、何を着ろうかと服を探すが、3日前にクリーニングに出したポロシャツもあと3枚しかない。バンケットに着ていったら、帰りの着替えがない。

「よっしゃ、こうなったら!」

そう、日本を出発する前に買った「甚平」を取り出した。左胸には「武」の刺繍が入っている。本当は、最終日まで勝ち残ったら着るつもりで持ってきたけど、ここで登場した日本の心!バスルームから出てきたトシゾー店長が、その凛々しい?私の姿を見て、一言。「あんたなぁ・・・・」。その「・・・」はいった何を言いたいのか!?

ホテルのロビーで待ち合わせた他のメンバーも「・・・」。誰かが言った。「お願いだから、離れて歩いてくれ・・・」。しかし、この「甚平」が思いもよらぬ方向に進んでいくとは、誰も知る由はなかったのだった。
 
私たちがサーキットに到着したのは20時前。帰り際に降り出した雨も上がり、西の空には太陽が沈みかけていた。会場の入口でチケットを渡し、右手にゴム印を押され、テーブルに付く私たち。しばらくテーブルで待つも、なかなか飲み物を持ってこないので、業を煮やしたtamaさんが、席を立って、ビールの催促に行く。

ジョッキにつがれたビールで乾杯をしてしばらくたってから、セレモニーが始まった。IFMARの会長のあいさつの後、表彰式が始まる。それは何と、世界戦に出場した全選手がマイクで呼ばれていくのであった。
 
これには驚いた。もっと驚いたのは、会場を埋めた選手たちからの惜しみない拍手が選手たちに送られていることだった。世界選手権という文字通り世界最高峰のレースだから、すごくとんがった世界なんだろうと思っていた私の考えは、こなごなにうち砕かれた。8日間、戦ってきた戦士たちに送られる、惜しみない拍手。それは優勝した選手であろうと、最下位の選手であろうと、関係はない。お互いの健闘を心から称え合っている姿がそこにあった。

「何てすばらしい世界なんだ!これが世界戦なんだ!」。レース結果が全てではなく、同じ時を一生懸命に戦った仲間たちと、この最後のバンケットを共有しよう!そういう空気をビシバシ肌で感じる私だった。

チームJapanでは、130位のハシモトくん、そして128位のKEIさんが大きな拍手の中、表彰された。もうすぐ、私の番。119位という結果は、自分自身ふがいない成績で、日本に帰ってどんな顔をすればいいんだろう・・・。なんて思っていた気持ちは、いつの間にかどこかに吹き飛んでいた。今なら言える。胸を張って言える。「オレは世界戦で119位だった。精一杯がんばった結果がこれだ!」と。

「それでは、続いての選手を紹介しましょう!119位、SW野郎 Japan!」
 
よっしゃぁ!おれじゃぁ!とテーブルを立ったその時!


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